カテゴリ:忘却之葉( 6 )

追憶

青春

例えば それは

冬の朝靄の中に 浮かぶ

不確かな けれど

輪郭のみ なぞれる偶像

そのような ものであって欲しい

と 願う
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by if-aluga000 | 2007-01-18 02:09 | 忘却之葉

無題

黒い背中だったが腹は黒くない

直感のカタマリを胃袋に流し込む

割れ目を探して中を見たかった

体温計が行方不明になったまま

ぐるんぐるんひっくり返る目玉

白い繭に包まれて溶けてしまえ!
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by if-aluga000 | 2006-05-11 22:08 | 忘却之葉

恐いもの

私にこの世に恐いものがあるならば、それは悪霊でも殺人鬼でもないのですよ。
私が恐れているのは、あの人が失望する顔です。
私が失望した顔をうっかり見てしまうことです。
これ以上ないほどに私はそれが恐い。
もしも見てしまったら、私はきっと石になる。
有機体である事をやめるでしょう。
だからどうか、たとえ失望したとしても…それを私に見せないで下さい。
こわい、こわい・・・・こわい・・・・・・・・・
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by if-aluga000 | 2006-02-02 16:08 | 忘却之葉

顔なしピエロ

あらゆる間接軋ませて
誰が為に演じるか
派手な服着た顔なしピエロ

化粧を忘れた道化師は 最後の笑みすら消えました。
舞台袖のカーテンで 醜い素顔をぶつだけです。
今はもう、優しさも慰めも ただの凶器に変わるだけ。
あぁならば 自らそれに飛び込みませう。
さすれば紅いお面が被れませう?
それとも色とりどりのバルーンに乗って 最後の一つがつぶれるまで
空を飛び続けましょうか。
あぁあはれかな
化粧を忘れた道化師の 心が一番醜かったのです。
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by if-aluga000 | 2006-02-02 16:06 | 忘却之葉

破片

心置きなく心にも無い事を言って下さって結構ですよ。
なんて、そんな事言えるほど強くないんです。
でも、そんな気持ちなのに無邪気な笑みを求めていたりします。
我侭な子で育ちましたから。

こんな気持ちの時には料理をしてはいけません。
カレーを作ってもサトイモの煮っ転がしを作っても雑炊を作っても何を作ったって、
塩辛くなるからです。
それでもって、その料理を食べた後は非常に喉が渇いて潤いを欲すからです。
そして否が応でも気付きましょう?
肉体的な渇きは癒せても、精神的な渇きが癒せないってことを。
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by if-aluga000 | 2006-01-28 06:08 | 忘却之葉

現実感の眠る夜


ヘッドフォンで、ある程度ごまかせる真夜中の音です。

沈んだまま浮き上がってこようとしない弛んだ皮膚は、あんなにも皺だらけだったでしょうか。

お腹のちょうど真上にごつごつした電気が釣り下がってるのですが、大地震が来たら私はこの電気によって命を落とすかもしれません。

そんな事を考えていると、おへその辺りがムズムズモゾモゾしてきます。

薄い壁を隔てた向こうに眠る、血肉を分けて下さった父と母は、昼間の喧騒とはうって変わって深々とした静かな世界に生きています。

私の部屋はエアコンが一生懸命、六畳一間を暖めようとフル稼働しすぎて鼻息が荒いのです。

ええ、全然静かではないんですよ。

ヘッドフォンをしていても音と音の合間合間に黴臭い呼吸音が聞こえてくるのです。

今夜は私のパソコンはとてもお行儀良くしています。

たまに拗ねたり捻くれたりして、肝を冷や冷やさせてくれますがいつも頼りになっています。

美容クリームを塗りたくった顔を嘲笑うかのように電磁波で照り照りにしてくれるのは、少々癪に障りますがね。

さしあたって、こんな時ほど私は現実感をありありと感じる時は無いのでありますよ。

偏狭の溝に嵌って自分の心音しか聞こえなくなるような、けれどそれこそ今の生命の躍動を最も感じてしまう、きっとそんなのが私の現実感なのです。

決して昼間、それは私に訪れてくれやしないので、こうして生死を確かめるかのようにたまに夜更かしする訳です。

皆が夢を見ている頃にですよ?

私は現実を見ている時にすり替わってしまった気がしてなりません。

しかしながら、夢はきっと平等ではなくて、自分の内にある現実世界の範囲それ以上には、決して甘くないのです。

それでもそこに憩いを求めてしまいそうになるのは、いつまで経ってもナルシストなお子様だからでしょうか?

それとも達観したふりをせざるを得ないアナーキストな大人だからでしょうか?

いや、全くそんなものじゃなく自分で自分を誇ってやれる代償に夢を見るのでしょうか。

現実から生まれるのが夢なのか、夢から生まれるのが現実なのか。

誰か孵化もまだ遠い卵を割ってみませんか?

母の胎内にいた自分を取り戻せるかもしれません。

破れるか壊れるかした後に夢の中身は他人様にぶちまけた方が宜しかったりするのかと…。

そんな一時後には、「神は死んだ!」なんてニーチェの言葉がずんずんと蛇の脳を揺らすのです。

「神は死んだ!」

いい響きですよ、今の私たちの地面を揺らすほどにね。

カスカスの脳みその中心部で産声をあげるのですから。

欠伸が瞼に幕を下ろし、見ている世界が掴み所無くなってくると夜を担当していた世界が朝の世界へとバトンを渡す準備をしています。

ええ、布団はとても冷え切っていますよ。

私は独りですからね。

でも大丈夫ですよ、オーバーヒートした心が布団の凍りなどすぐに忘れさせてくれるのです。

つまり、私は今眠りにつくのです。

明日を知るために夢に死んで現実を再び探すのです。

ああ、エアコンの音は微妙に胎内の心臓の音に似ていました。





おやすみなさい。
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by if-aluga000 | 2006-01-23 04:38 | 忘却之葉